ある日突然「支払督促」と書かれた裁判所からの封筒が入っていたら、焦ったり恐怖を感じてしまいますよね。ですが、一番やってはいけないことがあります。それは「見なかったこと」にして無視をすることです。
結論からお伝えすると、支払督促は届いてから2週間以内に対応しないと、次のステップである「仮執行宣言」がなされてしまい、さらに2週間放っておくと確定判決と同じ効力を持つようになります。
つまり、借金を返してもらえない人が、裁判所を通じて相手の給料や口座の差し押さえができるようになるということです。
「面倒だから後で」「とりあえず放置」は、状況をさらに悪化させます。この記事では、支払督促が届いたときにすぐやるべきことや、無視した場合のリスクについて解説しています。
裁判所や法務省などの公的な情報をもとにできるだけわかりやすく解説しているので、参考にしてみてください。
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簡易裁判所から届く支払督促とは?
支払督促とは、お金を貸した側(債権者)が裁判所に申し立てて、簡易裁判所の書記官から「お金を払ってください」と命じる手続きのことです。
通常の裁判と違い、裁判所に出向いたり、話し合いの場(口頭弁論)を開いたりせず、書類のチェックだけで進むのが特徴です。
taira支払督促は、お金を貸した側にとっては手間も費用も少なく、お金を回収しやすい方法とされています。
お金を貸した側(債権者)の対応にもよりますが、支払いを3ヶ月以上滞納していると、支払督促が取られやすくなります。届く書類は正式には「支払督促正本」といい、「特別送達」という特別な郵便で送られてきます。
これは郵便局員が本人や同居している家族に手渡しする方法で、受け取りを拒否してもその場に置いていかれ「届いた」ものとして扱われます。「受け取っていないから知らなかった」は通用しないということです。
書類審査だけで発行されるため、「身に覚えがない」という場合でも届いてしまうことがあります。だからこそ、届いた時点でパニックにならず、まずは中身をしっかり確認することが大切です。
簡易裁判所から支払督促が来たらすぐやるべきこと3つ


支払督促が届いた場合は、慌てずに内容を確認し、決められた期限までに適切な対応をすることが重要です。基本的な対応について詳しく解説していきます。
①まずは書類の内容と期限を確認する
最初にチェックすべきは、以下の3点です。
- いつ受け取ったか(送達日)
- いくら請求されているか
- どこの裁判所からの何番の事件か
異議を申し立てられる期限は、受け取った日から2週間以内と決まっており、これを1日でも過ぎると次の段階(仮執行宣言)に進めるようになってしまいます。さらに2週間経過すると、給料や口座が差し押さえられる可能性も出てきます。



支払督促が届いたら、まずは一刻も早く中身を確認することが大切ということですね。
あわせて、封筒に管轄の裁判所名がきちんと書かれているか、「特別送達」と記載された郵便になっているかも見ておきましょう。
「裁判所名がない」「振込先の口座番号が書いてある」といった場合は、支払督促を装った架空請求(詐欺)の可能性もあります。まずは焦らず、書類の中身と期限を落ち着いて確認することが重要です。
②払えるお金があるなら期限内に払う
請求されている金額を用意できる場合は、2週間以内に払ってしまうのが最善の解決策です。支払督促の請求は、分割払いの権利がなくなった状態(期限の利益の喪失)で来ていることが多いため、基本的には残額が一括請求されます。
払い終わったら、「いつ・いくら・どうやって払ったか」がわかるように、振込明細のコピーなどを添えて債権者に報告しておくと安心です。
入金が確認できれば、そこで手続きは終了しそれ以上何か不都合なことが起こる心配はなくなります。



少しでも用意できる見込みがあるなら、迷わず早めに払ってしまいましょう。
③一括で払えない場合は「督促異議申立書」を出す
一括で払うのが難しい場合は、2週間以内に「督促異議申立書」という書類を管轄の簡易裁判所に提出します。
「督促異議申立書」は支払督促に同封されていることが多く、同封がなければ裁判所の窓口やホームページでもらうことができます。
督促異議申立書を出すことで、手続きは通常の裁判(民事訴訟)に切り替わります。民事訴訟に移行することで、分割払いなどの条件について話し合える可能性があります。
「手持ちがなくて一括で払えないから、とりあえず放っておこう」ではなく、自身の経済状況を整理したうえで、いつまでに、いくらずつなら返せるか計画を立てた上で、必要に応じて申立書を出すようにしましょう。
支払督促を無視すると危険な理由|放置後に起こること


支払督促を無視すると、一体どうなるのでしょうか。ここでは、実際に起こりうることを分かりやすく解説していきます。
第一段階:遅延損害金がどんどん増えていく
返済期日を1日でも過ぎると「遅延損害金*」が発生し、支払いが完了するまで日を追うごとに積み重なっていきます。
督促を無視して放置している間も、この遅延損害金は止まることなく増え続けます。そのため、結果的に元々の借入額よりもかなり大きな金額を請求されることになります。



面倒くさいし少し遅れても大丈夫でしょ
と後回しにしているうちに支払う金額そのものが膨らんでしまうので、放置や無視をするメリットは何もありません。
第二段階:信用情報に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)
滞納がおよそ2〜3ヶ月続くと、信用情報機関に「事故情報」が登録されます。いわゆるブラックリストに載るという状態です。
登録されると、最低でも5年程度は、新しくクレジットカードを作れない、ローンやキャッシングの審査に通らない、スマホの分割払いができない、賃貸住宅の契約審査に通りにくくなる、といった制限を受けることになります。



返済とは直接関係のない、日常生活のさまざまな場面にまで影響が及んでしまう前にきちんと対応するのが大切ですね。
第三段階:連帯保証人にも督促される
契約時に連帯保証人を立てている場合、滞納から1〜2ヶ月ほどでその保証人にも督促の連絡が入ります。
連帯保証人は、債務者本人とほぼ同じ立場で返済義務を負うため



自分が借りたわけじゃないから関係ない
と拒否することはできません。家族や知人など、保証人になってくれた人にまで直接迷惑をかけてしまう可能性があることも肝に銘じておきましょう。
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第四段階:内容証明の催告書や支払督促・訴状が届く
督促を無視し続けると、次に届くのは内容証明郵便で送られる催告書です。これが届くと、分割払いの権利が失われて残額を一括で支払うよう求められます(期限の利益の喪失)。
催告書にも対応しないと、滞納からおよそ3ヶ月を目安に「支払督促」または裁判所からの「訴状」が届きます。支払い督促や訴状が届くと、単なる債権者とのやり取りではなく法的な手続きに移行することになります。
第五段階:強制執行によって給与や財産が差し押さえられる
支払督促(または訴状)にも対応しないまま放置すると、最終的には強制執行の手続きに進み、以下のような財産の差し押さえが開始します。
- 給与
- 口座にある預金
- 車
- 不動産 …等
給与が差し押さえられた場合、手取り額のおよそ4分の1が天引きされ、勤務先を経由して債権者に支払われる形になります。そのため、会社に滞納の事実を知られてしまうことにも繋がります。
このように、支払督促を無視することは、時間が経つほど「お金の問題」だけでなく「信用」や「人間関係」にまで影響が広がっていきます。
督促が来た時点で、できるだけ早く行動することが被害を最小限に抑える一番の方法です。
よくある質問
支払督促についてよくある質問をまとめました。
支払督促から差し押さえまでどのくらいの期間かかりますか?
早ければ1〜2ヶ月ほどで差し押さえまで進んでしまう可能性があります。
支払督促には「2週間ルール」が2段階あります。届いてから2週間以内に異議を出さないと「仮執行宣言」が付き、そこからさらに2週間異議を出さないと、支払督促は確定判決と同じ効力を持ちます。
(仮執行の宣言)
引用:民事訴訟法第391条/e-Gov法令検索
債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に手続の費用額を付記して仮執行の宣言をしなければならない
(支払督促の効力)
引用:民事訴訟法第396条/e-Gov法令検索
第三百九十六条 仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。
確定してしまえば、あとは債権者が強制執行の手続きを取るだけです。「まだ大丈夫」と思っている間に、あっという間に差し押さえの一歩手前まで進んでしまうので、支払督促が届いてしまった場合は早めに対応しましょう。
裁判所の支払督促の流れは?
流れを簡単にまとめると、次のようになります。
- 債権者(お金を貸した人)が簡易裁判所に申し立てる
- 書類審査だけで支払督促が発行され、本人に届く(特別送達)
- 2週間以内に異議がなければ、債権者の申立てにより「仮執行宣言」が付く
- さらに2週間以内に異議がなければ、確定判決と同じ効力を持つ
- 強制執行(差し押さえ)が可能な状態になる
支払督促が届く前に支払いを済ませておくのが望ましいです。ただ、すでに届いてしまった場合は、できるだけ早く対応することが重要です。時間が経過するほど、選べる対応方法は少なくなっていきます。
裁判所の支払督促の無視は危険!内容を確認しすぐに対応を


支払督促は、ただの「督促状」や「催告書」とは違い、法的な効力を持つ通知です。届いてから2週間以内に「一括で支払う」か「分割払いなどを求めて異議を申し立てる」かを選ばなければ、仮執行宣言がつきます。
さらに2週間放置すると確定判決と同じ効力を持つようになり、給料や財産が差し押さえられる可能性がでてきます。
大切なのは、支払督促が届いたからといって慌てず、期限内に正しい行動をとることです。督促を無視して後悔する前に、まずは書面の内容を確認して状況を整理し、できることから対応していきましょう。
参考文献
・最高裁判所|支払督促
・弁護士法人・響|裁判所から支払督促が届いたら 2週間以内にやるべきことや対応方法を詳しく解説
・裁判所(金沢地方裁判所)|仮執行宣言申立てのご案内(PDF)
・e-Gov法令検索|民事訴訟法
・司法書士法人みつ葉グループ/弁護士法人・響|督促状とは?無視するとどうなる?返済が難しい場合の対処法も解説











