株式会社AlbaLinkがおこなった通勤時間のストレスに関する意識調査(※1)によると、通勤時間が1時間以上かかる人でストレスを感じている人は8割以上という結果が出ています。
ストレスの原因としては「座れない」「混雑している」が上位に挙げられており、満員電車通勤を苦痛に感じている人が多いことが読み取れます。
特に、慣れない環境に置かれている新卒にとって、満員電車でのストレスは多いと考えられます。この記事では、満員電車が辛くなる原因5つと、具体的な13の対策を解説しています。

日常的に満員電車を利用していてストレスを感じているという方は、参考にしてみてください。
満員電車をストレスに感じる原因5つ


以下、満員電車を不快に感じる原因5つをまとめました。原因が分かることで対策も見えてくるはずです。自分がどんな点にストレスを感じているのか、読みながら照らし合わせてみましょう。
他人と距離が近い
満員電車で良く挙げられるストレス要因として、赤の他人と異常に距離が近くなってしまうことが挙げられます。
「何人以上だと満員電車」などの明確な基準はありませんが、日本民営鉄道協会は電車内の混雑の割合と目安を以下のように定義しています。
混雑率 | 目安 |
100% | 定員乗車。座席につくか、吊り革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる。 |
150% | 肩が触れ合う程度で、新聞は楽に読める。 |
180% | 体が触れ合うが、新聞は読める。 |
200% | 体が触れ合い、相当な圧迫感がある。しかし、週刊誌なら何とか読める。 |
250% | 電車が揺れるたびに、体が斜めになって身動きできない。手も動かせない。 |
人には「これ以上近づかれたら不快だ」と感じるパーソナルスペースというものがあります。状況や関係性、各個人の性格などにより異なりますが、一般的には約50cm以下の距離に接近されると不快に感じるといわれています。
そのため、上記の混雑率に当てはめると乗車率が100%を超えると満員電車と判断され、ストレスを感じるということになります。
混雑率が高くなると、自分の体勢が人を不快にしていないか、揺れるたびに足を踏んでしまわないかなども気になり、よりストレスが高まると考えられます。
トイレに行ったり水分補給ができない
満員電車では気軽にトイレに行ったり、水分補給ができないことも生理現象の我慢を強いられるのでストレスになります。
そのため、満員電車に乗る場合はトイレがある車両を選んで乗るか、事前にお手洗いを済ませてから乗車する必要があります。喉が渇きやすい場合は、蓋つきのストローが付いたボトルを携帯しておき、タイミングを見て水分補給するといった工夫が必要です。
ニオイや温度が不快
満員電車では色々な人が乗っています。香水や体臭などが混ざった空気で、気分が悪くなる人もいます。また、社内の空調が寒すぎる、暑すぎるケースや、立ち位置によって直射日光が当たるなど温度差によって体調が悪くなる場合もあります。
閉鎖的で息苦しさや恐怖を感じる
多くの人が密集している空間にいるため、息苦しさを感じやすくなります。また、人によっては「バランスを崩して倒れたらどうしよう」「動けない状態で何かあったら…」と狭い空間に恐怖を感じることもあります。
人身事故などで遅延がでると、より長い時間苦痛な時間が続くだけでなく、会社へ遅刻するといった不安要素も生まれてきます。
長時間立つことによる身体的疲労
満員電車では座れることがあまりなく、長時間ずっと立っていなければなりません。人が多いと無理な体勢で過ごさなければならないこともあり、身体的な疲労を感じる人も多いです。
また、ストレスを抱えると自律神経のバランスが乱れ、肩こりや腰痛・腹痛を感じることもあります(自律神経失調症※2)。
通勤でストレスを感じないための対策13つ


先の原因を踏まえ、満員電車など通勤時にストレスを感じないための対策について解説していきます。
満員電車を使わない工夫する
そもそも満員電車を利用しないような工夫をすることで、通勤時のストレスはかなり抑えられるはずです。以下、具体的な方法の解説です。
電車に乗る時間や路線を変える
電車に乗る時間をずらすだけで、満員電車に乗り合わせる確率を低くできます。多くの人が電車を利用する通勤ラッシュの時間は朝の7時半~9時頃だといわれています。路線や日によって変動しますが、この通勤ラッシュの時間をさけて電車に乗るのがおすすめです。
シフト制の場合は上司に勤務時間をずらせないか相談してみると良いでしょう。ずらせない場合は、いつもより早めに電車に乗り、空いた時間は近くのカフェで過ごすなど工夫すると、快適に過ごすことができそうです。



私も満員電車が苦痛だったときは、1時間早めに会社の最寄りに着いて、近くのカフェで過ごしていました!快適な朝を迎えられるのでおすすめです。
グリーン車や特急電車に乗る
普通運賃に上乗せして支払えば利用できるグリーン車や、特急料金が必要な列車の利用もおすすめです。通常よりも数百円~数千円プラスの費用がかかりますが、長距離の移動がある人ほど辛い時間がなくなり快適に過ごすことができます。
なお、グリーン車など特別に別料金を払っていても、指定席でない場合は座席が空いていないということもあります。その場合、座れずに立ったままの乗車や混雑した電車を利用することになるので、注意が必要です。
リモートワークをする
そもそも電車に乗らなくて済むよう、在宅で仕事ができる生活に変える方法もあります。会社がリモートワーク制度を導入していない場合は難しいですが、ある場合は自分もリモートで働けないか上司に打診してみましょう。
会社によって異なりますが、一般的にリモートワークで働くには「基礎的な業務をある程度こなせる状態」が求められることが多いです。どのような基準があるかなども合わせて確認しておくと良いでしょう。
また、「今の会社ではリモートワークがない」という方で、自宅で仕事がしたいという方は何らかのスキルを身に着けて異動を願い出たり、転職してみるのがおすすめです。
パソコン1つで業務ができる、プログラミングやWebデザインなどの資格を持っておくことで、リモートワークの生活に一歩近づけるはずです。
独学では難しいといわれている分野なので、自分に合ったスクール探しから始めてみるのも良いです。また、条件を満たせば受講費用が最大80%返金されるという国の制度もあります。詳細は以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。


徒歩や自転車で通勤する
電車を使わず、徒歩や自転車で通勤するという手もあります。日頃の運動不足を感じている方は、運動も兼ねて実行してみるのも良いかもしれません。免許を持っている方は、車やバイクで通勤するのも良いでしょう。



前職の同僚の中には、1時間かけて自転車通勤している人もいました。
あまりに遠い場合、自転車や徒歩で通える範囲の場所に引っ越す、または会社の近くに引っ越すという方法もあります。
通常の自転車だと辛いという方は、疲労の少ない電動自転車を利用するのもおすすめです。電動自転車は定価で購入すると20万円前後しますが、レンタルで借りればコスパ良く利用できます。
スマイルサイクルも、電動アシスト自転車を定額でレンタルできるサービスの1つです。
月額1,950円(税込み)で電動自転車を借りることができ、もしものための自転車保険(賠償責任保険)も付いているので、安心して利用できます。
大阪や京都など、一部の対応エリア内のみで利用できるので、気になる方は以下から確認してみてください。
座れる工夫をする
満員電車であっても、座って過ごすことができれば比較的快適に過ごせます。以下、満員電車で座われるための方法を解説します。
自分より先に降りる人を覚えておく
いつも同じ時間に同じ車両に乗る場合、自分よりも先に降りる人の顔を覚えておき、その人の目の前に立っておくのもおすすめです。
「先に降りる人の顔なんて覚えられない…」という場合は、降りる準備をしている人の目の前になるべく早く移動できるようにしましょう。例としては、つけていたイヤホンをはずす、読んでいた本やスマホをしまうなどの動作が挙げられます。



すぐに移動できるように、出入り口付近ではなく、奥の方に進んで座席の前に立っておくようにしましょう。
始発駅から電車に乗る
いつも利用する電車の始発駅から電車に乗ることで、座れる確率が高くなります。徒歩や自転車などで行ける範囲ではない場合、始発駅付近の物件に引っ越すというのも手です。
ホームのエスカレーターから遠い車両を選ぶ
メインのエスカレーターから離れた車両は、比較的空いていることがよくあります。特に、先頭車両や最後尾まで移動してみると、混雑の度合いが大きく違うこともあります。
女性の場合、朝の通勤ラッシュ時には女性専用車両が用意されていることも多いので、他の車両と比べて空いていないか確認すると良いでしょう。
快適に過ごす工夫をする
満員電車を避けられない場合は、車内で少しでも快適に過ごすための工夫が必要です。以下、具体的な対策を記載します。
マスクをつける
周囲のニオイが気になる場合、マスクをつけて鼻を覆うのも効果的です。それでも気になってしまう場合、マスクに自分が好きな香りの香水を付けたり、精油を垂らすのも良いです。
周囲の視線が気になる方も、マスクの着用がおすすめです。マスクを着けることで顔の大部分を隠せるため、気持ちが楽になることがあります。
リュックや帽子で人との距離を保つ
人との距離が近いのが不快に感じる方は、手荷物などで少しでも距離が空くような工夫をするのがおすすめです。自分の顔と人との距離が近いのが苦痛の場合、つば付きの帽子をかぶるのも良いでしょう。
窓を開ける
人が多く周囲の空気に息苦しさを感じる場合、窓が開けられる車両であれば窓を開けて外の空気が吸えるように工夫するのもおすすめです。
空気が入れ替わるだけで気分の悪さが改善されることもあるので、手段の1つとして頭に入れておきましょう。
読書や音楽で気を紛らわす
好きな本を読んだり、音楽を聴いて過ごすことで気を紛らわせるのもおすすめです。長時間移動の場合、映画やアニメなどの動画視聴することで時間があっという間に感じられることもあります。



スマホのギガの減りが気になる方は、Wi-Fiがある環境で事前に動画をダウンロードしておくのがおすすめです!
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その他の対策
その他の対策として、満員電車を乗り切るための対策を記載します。
休みながら通勤する
途中駅で一旦降りて、休憩しながら出勤する方法もあります。ベンチなどがあって休めそうな駅に目星をつけておき、到着したら足を伸ばしたり水分補給をして休息します。
遅刻しないよう時間に気を付けながら心と身体を休めて、少しでも辛さが軽減できるように意識しましょう。
乗り物酔いする人は薬を飲む
乗り物酔いの疑いがある場合は、専用の薬を服用することで気分の悪さが改善される場合もあります。症状が酷い場合は、病院を受診して薬を処方してもらうと良いでしょう。
また、乗り物酔いは睡眠不足や疲れによって引き起こされる場合もあります。空腹や食べ過ぎなども原因の一つと考えられているため、規則正しい生活習慣をおくれているか見直すことも大切です(※3)。
不調が続く場合は専門機関へ相談
新卒社員の場合、慣れない社会人生活や新しい環境の中で、心身に大きな負担がかかりやすい時期です。通勤のストレスが日常生活にまで影響を及ぼしていると感じたら、まずは信頼できる上司や先輩に相談してみるのも一つの方法です。
それでも不調が続く場合は、無理に我慢せず、社内の産業医やメンタルクリニックなどの専門機関に相談してみましょう。



頭痛や吐き気、動悸、気分の落ち込み、不安感といった体調不良が続いている場合は、早めの対応が大切です。
また、ストレスや不調の原因が、満員電車での通勤以外にあることも考えられます。専門家に相談することで、自分でも気づかなかった原因が明らかになり、適切な対処法が見つかる場合もあります。
「メンタルクリニックに行くのはハードルが高い…」と感じる方には、オンライン診療という選択肢もあります。


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特にメンタル面の不調を抱える方の利用が多く、通院の手間がかからないことから、多くの方に支持されているサービスです。
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まとめ


満員電車をストレスに感じる原因としては、以下の5つが考えられます。
- 他人と距離が近い
- トイレに行ったり水分補給ができない
- ニオイや温度が不快
- 閉鎖的で息苦しさや恐怖を感じる
- 長時間立つことによる身体的疲労
これらの原因を踏まえてできる対策として、グリーン車に乗る、電車に乗る時間や路線を変えるなど様々な対策があります。この記事を参考に、満員電車通勤で感じるストレスを減らせるよう、自分に合った方法で対策してみてください。
参考文献
※1 PR TIMES|株式会社AlbaLink【通勤時間1時間以上はストレス?】男女499人アンケート調査
※2 一般社団法人|日本臨床内科医会
※3 一般財団法人|大阪府医師会