
会社でのメールのやりとりが難しい…。間違っていないか心配…。



ビジネスメールのルールについて、一緒に確認していきましょう!
ビジネスメールは、単に情報を伝えるだけでなく、印象や信頼を左右するビジネススキルの一部です。文面構成や言葉遣い、送信前のチェックなど、少しの意識で相手に与える印象は大きく変わります。
本記事では、ビジネスメールの基本ルールから、マナー・構成・文例集までをわかりやすく解説しています。失礼のないメールをマスターして、ビジネスの信頼関係を築く一歩を踏み出しましょう!
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ビジネスメールの基本ルール
まずはビジネスメールの基本ルールについて、紹介します。
ビジネスメールの目的と特徴
ビジネスメールは、単なる情報伝達の手段ではなく、信頼関係を築くための重要なコミュニケーションツールです。
メール一通の印象が、あなた自身や所属する企業の印象を左右します。誤字脱字や曖昧な表現があると、「丁寧さに欠ける」「注意力が足りない」と判断されてしまいます。
プライベートのメールとは異なり、ビジネスメールには一定の構成とルールが存在します。



ルールを守ると、誰にとっても分かりやすく、読みやすい文面が完成しますね!
ビジネスメールの基本構成


ビジネスメールは6つの構成で成り立っています。
- 件名:メールの要点がひと目で分かるように。
- 宛名:会社名・役職・氏名の順で書く。
- 挨拶・名乗り:定型の挨拶や季節の一言を添えた上で、会社名とともに名乗る。
- 本文:結論→理由→補足の順で簡潔に。
- 締めの挨拶:「何卒よろしくお願いいたします」などで締める。
- 署名:自分の所属と連絡先を明確に。
送信前チェックは必須
送信前に誤字脱字がないか、間違った内容を送っていないか必ず確認しましょう。
誤字脱字は信頼を損なうので、絶対にNGです。また、添付ファイル忘れ・宛先間違いに注意しましょう。
誤字脱字・宛先・添付ファイル3つは送る前に確認。
ビジネスメールの正しい書き方・マナー
ビジネスメールを作成するにあたって、書き方やマナー面で注意しなければいけない箇所があります。
以下に例文を作成しました。


株式会社ABC商事営業部田中さん宛てに、株式会社ABCメーカー鈴木花子さんがオンライン打合せの資料を送付するといった内容です。
上記メール文のそれぞれの項目について、詳しく解説していきます。
ひと目で要件がわかる件名
件名はひと目で要件がわかるように記載しましょう。



件名は、開封するかどうかを左右するポイントです!
NG例:「お世話になります」だけの件名
OK例:【資料添付】○月○日のオンライン打合せについて
具体例のように、()や【】を使うと、受信者がすぐに内容を把握できます。
宛名を書く
本文に宛名を書きますが、社外(取引先など)や社内(同僚や上司)と宛名の書き方が異なってきます。
社外宛では、会社名+役職+氏名の順で書くのが基本です。
社外:株式会社ABC商事 営業部 田中様
社内向けなら「田中部長」「営業部 田中さん」など、組織文化に合わせましょう。
社内:田中部長・営業部 田中さん
挨拶文を書く
最初の挨拶で印象が決まります。
社外の人に贈る挨拶文は、初めてメールを送るか、既に一度メールを送っている相手かにより異なります。
初めて送るのであれば「お世話になります。株式会社○○の○○と申します。」、2回目以降であれば「お世話になっております。~」です。
また、会社によっては、冒頭に以下のような季節の挨拶を加えることもあります。
春:「陽春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
夏:「暑さ厳しき折、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。」
秋:「爽秋の候、貴社ますますご清栄のことと存じます。」
冬:「寒冷の折、皆様におかれましてはご自愛のほどお願い申し上げます。」
用件は短く簡潔に記載
用件は短く簡潔に記載しましょう。「結論→理由→補足」の順で記載することで、相手がスムーズに内容を理解できます。
結論:明日(○月○日10時~)の○▽椅子に関するオンライン打合せの資料を添付いたしました。(43文字)
理由:最新のデータを反映したため、改めてお送りしております。(27文字)
補足:ご確認のうえ、修正やご意見がございましたらご連絡ください。(29文字)
冗長表現は避け、1文を60文字以内にすると読みやすくなります。
冗長表現とは、文章に無駄な言葉が加わることで読みづらくなっている表現です。例えば、「頭痛は痛い」のような表現を指します。本来不要な言葉や繰り返しを削り、より簡潔な表現に書き換えると、文章は読みやすくなります。
文末に締めの挨拶文を書く
ビジネスメールの文末に相手への感謝と敬意を込めた挨拶文を書きましょう。
- 引き続きどうぞよろしくお願いします。
- よろしくお願いいたします。
- 何卒よろしくお願いいたします。
署名(シグネチャー)を整える
最後に署名(シグネチャー)を整えましょう。メールの署名(シグネチャー)は、「私自らが作成したメールです」と示すものです。
- 社名
- 氏名
- 部署
- 連絡先(電話番号・メールアドレス)
シーン別のビジネスメール文例集
シーン別のビジネスメール文例集を紹介します。
取引先への連絡メール
取引先への連絡メールはわかりやすく、短く簡潔に記載しましょう。
件名:【納品日変更の連絡】○○の納品について
本文:
株式会社ABC商事
営業部 田中様
お世話になっております。
株式会社ABCメーカーの鈴木です。
納品日について、下記の通り変更させていただきます。
〇月〇日(火)10:00~11:00
何卒ご確認のほどよろしくお願いいたします。
――――――――――――
株式会社ABCメーカー
商品開発部
鈴木 花子
03‐××××‐1234
――――――――――――
上司や同僚への依頼メール
上司や同僚への依頼メールは、取引先へのメールとは挨拶文や宛名の書き方が変わります。挨拶文は「お世話になっております。」ではなく、「お疲れ様です。」がスタンダードです。
件名:【ご確認依頼】4月度レポートについて
本文:
営業部 田中さん
お疲れ様です。商品開発部の鈴木です。
添付のレポート内容をご確認のうえ、ご意見を頂けますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
――――――――――――
株式会社ABCメーカー
商品開発部
鈴木 花子
――――――――――――
役職がある場合は、「田中部長」など役職名も合わせて記載するのが一般的です。また、複数名に送る場合は、役職が高い人順に上から記載するのもマナーです。
お礼メール・お詫びメール
お礼メール・お詫びメールは誠実さを伝えることが最も大切です。
件名:【御礼】○月○日のオンライン打ち合わせについて
本文:
株式会社ABC商事
営業部 田中様
お世話になっております。
株式会社ABCメーカーの鈴木です。
昨日はお忙しい中、オンライン打ち合わせにご参加いただきありがとうございました。
貴重なご意見を多数いただき、今後の製品改良の参考になりました。
いただいた内容をもとに、改訂案をまとめ次第、改めてご連絡いたします。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――――
株式会社ABCメーカー
商品開発部
鈴木 花子
03‐××××‐1234
――――――――――――
件名:【お詫び】資料送付の遅延について
本文:
株式会社ABC商事
営業部 田中様
お世話になっております。
株式会社ABCメーカーの鈴木です。
このたびは、打合せ資料の送付が予定より遅れましたこと、誠に申し訳ございません。
データ更新作業に時間を要したため、本日付けでの送付となりました。
ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今後はこのようなことがないよう、スケジュール管理を徹底いたします。
添付資料をご確認のうえ、ご不明な点がございましたらお知らせください。
何卒よろしくお願いいたします。
――――――――――――
株式会社ABCメーカー
商品開発部
鈴木 花子
03‐××××‐1234
――――――――――――
日程調整メール
会議や打ち合わせの日程調整メールは日時を3つほど提示するとスムーズです。
件名:【日程調整のお願い】○▽椅子プロジェクト打合せについて
本文:
株式会社ABC商事
営業部 田中様
お世話になっております。
株式会社ABCメーカーの鈴木です。
○▽椅子プロジェクトに関する打合せの日程について、ご相談申し上げます。
以下の候補日でご都合のよい日時をお知らせいただけますでしょうか。
- 〇月〇日(火)10:00~11:00
- 〇月〇日(水)14:00~15:00
- 〇月〇日(木)16:00~17:00
上記以外でも、田中様のご都合に合わせて調整いたします。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
――――――――――――
株式会社ABCメーカー
商品開発部
鈴木 花子
03‐××××‐1234
――――――――――――
退職時の挨拶メール
退職時の挨拶メールは感謝を中心に、今後の連絡先を添えて締めましょう。
件名:【ご挨拶】退職のご連絡
本文:
株式会社ABC商事
営業部 田中様
いつも大変お世話になっております。
株式会社ABCメーカーの鈴木です。
私事で恐縮ですが、このたび〇月末日をもちまして退職することとなりました。
在職中は田中様をはじめ、貴社の皆様に多大なご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
今後はこれまでの経験を生かし、次のステージでも努力してまいります。
略儀ながらメールにてご挨拶申し上げます。
田中様のますますのご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
――――――――――――
株式会社ABCメーカー
商品開発部
鈴木 花子
03‐××××‐1234
――――――――――――
知っておきたいメール用語と使い方
ビジネスメールでは知っておきたい用語や知っておきたい機能を紹介します。
CCとBCC
宛名とは別に、CCとBCCといった機能があります。
- CC:関係者への情報共有用。
- BCC:他の宛先を非表示にしたいときに使用。
CCは宛先が全員把握できる、BCCは大量配信時などに便利です。
株式会社と(株)
正式な会社名は、登記上「株式会社〇〇」です。
公的な文書、契約書、請求書などの公式な場面では略さず「株式会社」と書くのが原則です。
株式会社ABC商事
(株)ABC商事
(株)は略称・社内やカジュアルな場面向けになります。基本的には略さず、株式会社と記載しましょう。
添付ファイルの正しい扱い方
ビジネスメールの添付ファイルの扱い方にも注意が必要です。
ビジネスメールに添付する際は、内容が一目で分かる具体的なファイル名を付けます。
例:2025_商品提案資料_ABC商事様.pdf
機密性のある資料はパスワード付きZIP形式で送付し、パスワードは別メールで伝えるのが基本です。
近年はZIP添付を避け、クラウド共有リンクを利用する企業も増えています。
添付ファイルが容量上限を超える場合は、オンラインストレージ(OneDrive、Googleドライブ等)を活用し、ダウンロード期限やアクセス権限を明示して送付するのがマナーです。
ビジネスメールマナーを身につけて信頼される社会人に
ビジネスメールはプライベートのメールとは異なり、ルールや決まりごとが多く最初は戸惑いが多いかもしれません。
正しいビジネスメールの書き方は、単なる形式ではなく、印象や信頼を左右するビジネススキルの一部です。
件名・宛名・文面・添付などの基本マナーを守ることで、スムーズなやり取りができ相手に安心感や誠実さを伝えられます。



日々の業務の中で丁寧なメール対応を意識し、信頼されるビジネスパーソンを目指しましょう!











